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EVENING GLOW OF BETRAYAL ~2~

[Betrayal to the past]

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事件の詳細?そんなもの情報屋にでも聞いたらどうだい?


何?俺も情報屋みたいな物だろって?


おいおい



いいか、俺は『過去』を売ったりしない


情報、それは一部の例外を除いて『過去』なんだよ


未来さえも確定していない不安定な世の中でなによりも確実な『過去』の存在は何より重い


ある種の神なんだよ、『過去』ってのは


今、この瞬間さえも既に『過去』だ


そんな神聖なものを俺が汚れた金なんかと引き換えに売るとでも思ったかい



―男の顔には笑みが見られたが、目は笑っていない


―完全な無表情な顔面に僅かに引きつらせた口を貼り付けたような顔で相手に向き直る


―どこか圧迫するような、獲物を睨む蛇の様に相手に視線を送った




そんなに知りたいのなら関わってみたらどうだい


関わり方は人それぞれあるが、君が腕っ節に自身があるならそれ一筋で関わってみなよ


まぁお勧めはしないけど


どっかの暗殺組織にも勝てるほど君が強いなら話は別だけどね



―そして相手に言葉を紡ぐ隙を与えぬまま、滑らかに口を動かした



でも安心しなよ


『過去』はけして逃げたりしない


『過去』は平等に与えるんだよ、苦しみも幸せもね



でもね、『過去』は寂しがりやなんだ


だから暇があったら一緒に遊んであげなよ


『過去』も同じように君を待ってるからさ




―そんな黒幕気取りの男と雑誌記者の会話さえも『自由の街』は過去として受け入れた


―実際、雑誌記者のほうは男に圧され、とても会話が成り立っているようには見えなかったのだが






――――セントマークス、某所 A.M.3:37――――
0026

ドミニク「・・・・随分と重装備だな」



―不自然なほどに重装備な構成員を見て、ドミニクの脳裏にある記憶が突き刺さった


―思い出したくないはずなのに、忘れたいはずなのに、あまりにも残酷にその『過去』は息を吹き返した







――――3年前、同所 某時刻――――
0660

グォォォ・・・・・・



―走馬灯のように頭の中にその時の事が鮮明に映し出される



―その時彼は英国の暗殺組織、『ルバーチェ』に所属していた



―その暗殺組織は、残酷な手口と巧妙さから一部の人間にしか存在が明かされていなかった



―ドミニクを含んだ組織のメンバーの乗る車はLC最強のマフィア、レオーネファミリーの元へと向かっていた





―そして、次の瞬間には血で血をような洗う激しい銃撃戦が始まっていた


0671


―周囲に響く薬莢の落ちる音を銃撃の音が掻き消していった


―そして黒い液体が雨のように飛び散り、それがヘッドライトにあたるたびに赤く反射してそれが血であることを認識させた



ルバーチェ1


―もはや仲間か敵かの判断も付かないほどの闇に悲鳴や発砲音が消えていった


―もしくは敵も味方も関係なかったのかもしれない

レオーネ3

―ただ一つ分かることがあるとすれば僅かにルバーチェが優勢に立ってい事だけだった


―しかしその優勢さえも闇の中に消えていった

レオーネ1

―激しい銃撃戦が10分以上も続き、辺りには累々と死体が転がっていた


―それこそ戦争のように、嵐の如くすべてを蹴散らしていった





―この銃撃戦の勝敗など知るものはいなかった


―参加していた本人たちでさえそれを判断することは出来なかった




―この『事件』の後、ドミニクは組織を抜け、一人で仕事を続けた



―そして因縁の相手であるレオーネに目をつけられ、暗殺の仕事に抜擢された



―もちろんレオーネに自分がルバーチェであることは知られていない





―筈だった



―そして目の前の武装した構成員を見て、ドミニクの脳内に嫌な予感がよぎるが、すぐに忘れた


0032

―重い脚を滑らせるように歩いた


―重い口をゆっくりと開き、言葉を紡いだ



ドミニク「・・・・・今着いた、俺がドミニクだ」

0325


―返答は無い、沈黙が時と一緒に流れ、外ではと小鳥の囀りが聞こえる





???「ヘイ あんたがドミニクだな」





―フレンドリーに切り出された言葉からは予想もつかない状況がドミニクの背後で展開されていた


0033


―それはある意味、予想道りでもあったが一番予想したくない状況だった


0660

レオーネ「まぁ、そのなんだ ここはこういう街だからよ。せいぜい楽しんでいってくれや」



―やはり重装備の構成員に囲まれていた




―理由は簡単なことだった



―3年前、ドミニクも『事件』にルバーチェとして参加していたことがバレた




ドミニク「お宅らの情報網はどうなってるんだ?俺の古巣の連中にも教えてやりたかったね」




―絶体絶命な状況にもかかわらず、微笑しながら冗談を吐く





―その刹那、銃撃の音が訪れる

ズガン!!ッ スドドドド!!!ッ ズガガガガガガ!!!!!!



―予想道りの展開


―やはり映画や漫画の世界のように救世主が現れることは無かった




―そして無数に放たれた銃弾はの一つがドミニクへと一直線に飛んでいき、ドミニクの頬をかすめ、










隣で銃を構えていたレオーネ構成員に突き刺さった








To be continued・・・・・・・・・・