タイトル画像[1]
EVENING GLOW OF BETRAYAL ~5~

[3way standoff]

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ん?



俺は何をしている?


俺は何を見ている?


俺は確か、情報屋に取材しようとこの屋敷へ来て・・・・・・・・・


なんで俺は銃を向けられてるんだ?

え?

裏切り?

そういえばここって



裏切りの街だったな 




あぁ、だから俺はこの街に来たんだったっけ?

ここは非日常の塊だ


俺はそれに憧れてたんだ


そうか、俺は何も分かっていなかったんだ

何が非日常なのか分かっていなかったんだ

俺が今まで見てきた非日常は、ただの客としての客観であり、俺の主観で

これは、これは、俺の、完全に、100%、混じりっけのない、俺の、主観

前に火炎瓶を投げられた時だって俺はそこにはいなかった、主観者じゃなかった

これは、俺の主観、俺の眼球に映る現実、俺は、俺は、非日常に、接触した

初めて、主観者として、非日常に、触れた、触れさせられた、触れさせてくれた

この街に、この街の、この街で、非日常に、触れた



これが

これが

これが、俺の求めていた

これが、俺の求めている

これが、俺が求めていると思い込んでいた

これが、俺の、俺の、俺のもの、これは俺の、俺が、欲しい、俺は、あぁあぁぁ

これが、俺の、が、は、あ、あ、あ、あああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁあああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁあああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁぁぁあぁあぁあああぁあぁああぁあぁああああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁあああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁあああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁぁぁあぁあぁあああぁあぁああぁあぁあああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁあああぁあああぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁあぁあぁあああぁあぁあぁあああぁあああぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああああぁあぁあぁあぁあぁぁあぁぁああぁぁぁあぁあぁああぁあぁあぁあぁああぁぁぁぁああぁぁあぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ



これは?

これは?

これは?



これが、非日常か
 


‘‘やった‘‘

‘‘俺の勝ちだ‘‘













――――フォートストートン、商店通り A.M.5:02――――

0251

風本「畜生ッ!!、一旦引くぞ!!、こっちだ!!」

0255

ズダダダダダンッ!! ズドンッ!! ズドダダドダダダダッ!!


―ここはフォートストートン、ヨーロッパ系の移民が多く住む気品あふれる地区、

―そのど真ん中を鋭い銃声が鉄塊とともに行き交う


レオーネ「逃がすなぁッ!!、回り込んで袋叩きにしろッ!!」


風本「急げ!!急げ!!、クソがぁぁッ!!」


―先ほどよりも一層速く銃弾が行き交い、その一部が黒いスーツを真っ赤に染め上げる

風本「走れ走れ走れぇッ!!!」

0261

レオーネ幹部「チッ・・・・逃げられたか」


プルルルルル・・・・・・・・・

―先刻まで轟音が行き交っていた通りに今度は着信音が鳴り響く


レオーネ幹部「すいませんボス・・・奴らに逃げられました」

ボス「なぁに、構わん構わん、そのままシダーグローブの連中を潰しに行け」

ボス「次はしくじるなよ・・・・」


レオーネ幹部「はい・・・・・」

レオーネ「どうします?まだ追いますか」

レオーネ幹部「いや・・・深追いするな、シダーグローブに車を飛ばせ」


レオーネ「分かりました」







――――シダーグローブ、屋敷 A.M.5:05――――
0889

コンコン

ディッキンソン(情報屋にしては随分といい家に住んでるんだな)

01

ジャキ


ディッキンソン「・・・・な、なんだお前達は」

粟楠「俺らか?あんたの記事で散々書かれてたジャパニーズマフィアだよ」


ディッキンソン「そ・・・そんな・・・騙したなッ!」

粟楠「うるせぇ、とっとと入りやがれ」


―そう、彼は粟楠会について過去に何度も何度も過激な記事を書き、何度も粟楠に警告を受けていた

―今日も彼は情報屋から粟楠のことについて聞くつもりだったが、目の前に広がっている光景は自分の想像していたものとは全く違った

03

ディッキンソン「ぐぁっ!!」

―粟楠の男に蹴り飛ばされ、悶絶するディッキンソン


粟楠「やっとわかったか?これが非日常だ」


粟楠「これが、銃を突きつけられ、床に這いつくばって許しを請って、人生を狂わせてまでテメェが欲しがってたもんだ」



―粟楠の男の言葉に、ディッキンソンの中で何かが激しく反応した



ディッキンソン「・・・・・非・に・・・じょ・・・・・・・・・」

ディッキンソン「・・・フハ・・・・フフ・・・・・・」

ディッキンソン「フフフ・・・フハハ・・・・・・ヒャッハッハッハッハアハハハハ!!!」

―口元をグニャリと歪ませ、目を見開いて狂ったように笑い出す

ディッキンソン「そうか、そうか、そうかそうかぁ!!これが非日常だ!そうだよ!」

ディッキンソン「アハハっ!!これが!これが!、やっと!やっと見つけた!本当のスクープだよ!」

ディッキンソン「僕は体験した! 自分の身をもって非日常を!!」

ディッキンソン「もう誰にも邪魔させはしない!!僕が書くんだ!本物の非日常をね!!ヒャハッハッハッハ!」



粟楠「チッ・・・・こいつどうかしてるぜ」

粟楠「なぁに、一発ぶち込んでやれば大人しくなるだろ」


ダンッ



―短い銃声とともに赤い飛沫が床に無数の斑点を作る

―そして一秒遅れで彼の膝に激しい衝撃と激痛が駆け抜ける

ディッキンソン「うぐぁっ!!」


― 一瞬、彼の思考はその痛みと衝撃で途切れたが、数秒後には彼の脳はフル回転を再開する


ディッキンソン「いいぞ!いいぞ!、俺は今銃で撃たれた!これでもっと面白い記事がかけるぞ!」

ディッキンソン「素晴らしい体験談だ!君たちもそうは思わないかい!?」

ディッキンソン「ある日私は一人の情報屋に取材を求めた!するとその情報屋に裏切られ、粟楠会に捕まり、足を銃で撃たれた!!、素晴らしい!!素晴らしい!!」

ディッキンソン「これで俺はこの街についていける!今まで街の後を数歩遅れで追いかけてきただけだったが今は俺がこの街の最先端に立っている!!」

ディッキンソン「これが!これが本物のスクープだ!!これが本物の記事だ!!」

―その時点で既に彼は完全に正気を失い、膝の痛みさえも興奮の一部として消化するほどの精神状態に陥っていた



―しかし、そんな彼に冷水を浴びせかけるように言葉をかける男が一人

02

粟楠幹部「なぁ・・・・その考え、ちょいと大事なところが抜けてねぇか?」


ディッキンソン「へ?」


―飄々としているが、威圧をまとった男の声にディッキンソンの思考は強制終了させられる

―銃で撃たれても止まらなかった彼の発狂を、男は声だけでぶちのめしたのだ

粟楠幹部「だってよぉ、あんたがその記事を書くにはまず、ここから出なきゃいけねぇんじゃねぇか?ん?」

粟楠幹部「まぁもし、ここにスーパーヒーローが現れてあんたを編集部に運んでくれたとしてもその記事が発行される頃にはあんたもスーパーヒーローも砂になってるぜ?」



―過酷な現実をなんの躊躇いもなく突きつけられ、この時点で彼は自分の運命を察する


あぁ、俺死ぬのか、

この記事を、書けないのか

死んだら、ペンは持てなくなるのか

死んだら

死んだら

死にたくない

書きたい

俺の記事を

悔しい

悔しい

悔しい

記事を、

記事を、

記事を書かせろ

記事を、

ディッキンソン「書かせろぉおぉおぉぉおぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

ディッキンソン「俺のこの体験を無駄にしてたまるかぁあぁぁっ!!!」

ディッキンソン「ペンをよこせ!!!早く!!!書かせろ!!!俺に記事を!!!」



―怒りと憎しみと悔しさが入り乱れ、獣の様に叫び散らす



―しかし男は冷淡に構え、彼にとって屈辱的な言葉をさらに浴びせる

粟楠幹部「あぁあ、今まであんたがやってきたことも全て無駄になっちまったなぁ、ま、あんたは知ってはいけないこの街の裏を知っちまったわけだしな、その代償は大きいぜ」

粟楠幹部「あぁそうそう、もしあの世でも記事が書けるかもしれねぇからよ、そんときは俺の名前も出してもらって結構だぜ」


―そしてディッキンソンの記者魂は最後の取材を震える唇から紡ぎ出す


ディッキンソン「あなたのお名前は?・・・・・・・」


―彼の今の精神状態ならば『あの世でも記事がかける』と言われても信じ込むのは容易である

―そして今彼はあの世の記事のために『取材』をしたのである

―今まで何千、何万と使ってきた言葉を最後に絞り出した彼は、力尽きたようにその場に崩れ落ちる



―そして男はなんのためらいもなく、狂った記者の取材に答える


赤林「俺は赤林、赤い林と書いて赤林だ」

赤林「まぁその、この体験談はあの世への土産話にでもしてくれ」


―次の瞬間にはディッキンソンは自らを赤林と名乗る男に顎を蹴り上げられ、完全に意識を失った





――――――数分後――――――

粟楠「赤林さん、こいつどうしやしょう・・・」

赤林「殺しとけ、これ以上記事を書かれると奴らに弱みを握られる」

粟楠「分かりやした」

ジャキリ


―意識を完全に失ったディッキンソンにブラックホールのようにどこまでも黒い銃口が向けられる


―そして次にこの場に響いたのは、銃声でもなく、彼の悲鳴でもなく、全く違う音だった


0267
ドオォオォォォォォォォォォォン!!!

0299

粟楠「なっ、なんだ!?」

ディッキンソン「うわぁぁぁぁ!!!」

赤林「チッ・・・・連中が来やがったぞ!!」

赤林「おいお前、そいつを二階に連れてけ!」

赤林「他の奴らは外で応戦しろ!」

―自体を把握した赤林は、部下に適格な指示を出す


―そして、その指示の1拍子後には、ガラスや壁を突き破り、無数の鉄塊が彼らに突き向かっていた








――――ハーウッド、中古車屋裏 A.M.5:05――――
aaaa
グォォ・・・グォォォォン

スコット「チッ・・・・面倒な事になってきやがったな」

ジム「これを逃すともう機会はねぇ、気合入れていくぞ・・・・」

スコット「ったくよぉ・・・なんでこんな時にあの元暗殺者さんはいねぇんだ?」

ジム「連絡しても繋がらねぇ、俺達だけで行くしかないな」


―すると別の車両から無線機越しに声が聞こえる

リカルド「レオーネどもには粟楠の連中しか見えてねぇ、ゾッコンってやつだ」

リカルド「その隙にに俺らが両方潰してあの屋敷を頂く」


スコット「なるほどな、けどよぉ、シダーグローブはMorning Starも付いてるんじゃなかったか?」

リカルド「あの連中か、あいつらはとっくにレオーネは見捨ててるそうだから大丈夫だろ、抗争もあんま好きじゃないらしいしな」
asd

ジム「フォートストートンの方はどうなった?」

リカルド「風本のグループか、やつらはもう撤退したらしい、そこにいたレオーネも後から屋敷の方に向かってくるぞ」

スコット「あぁ、善は急げだ、飛ばせ!」

0349

―より一層深く踏み込まれたアクセルは、彼らの挑戦の意思を強く、強く掻き立てた










――――シダーグローブ、屋敷 A.M.5:09――――
0269
ズダダダンッ!! ズドダダンッ!! ズドンッ!!ズダダドダダダダッ!!

レオーネ「ハッハーッ!!フォートストートンの連中も潰してやったぜ!!、次はテメェらだ!」

―3台ほどの車で乗ってきたレオーネと屋敷の所有者である粟楠、その両者から吐き出される銃撃の雨は辺りに砂埃を掻き立て、壁に無数の銃痕を作り出す


―彼らの服装が軍服や迷彩服だったら完全に戦場へと様変わりしてしまうほどに激しい銃撃戦が屋敷に覆いかぶさる

0277

粟楠「クッソぉぉぉぉぉぉ!!、耳が壊れそうだ!!」

―隣では仲間が真っ赤に染まりながら崩れ落ち、悲鳴とともに次の銃声が耳に届く
0286

ズダダダダンッ!! ズドダダドダダダダッ!!

レオーネ「弾切れだ!弾をよこ、グフッ」

―声を出し終わる前に銃弾が突き刺さり、その場に崩れ落ちる

―そんなシチュエーションが何パターンも展開され、周りは血の海、死体の山になっていた




―そして屋敷の二階ではある意味、銃撃戦より激しい展開がおとずれていた
0307

ディッキンソン「ぐぁぁぁぁぁぁ、うわぁァァァァァ」

―足元からも銃弾が飛び出してくる上、ここは二階、退路は一つしかない

―冷静に考えれば生き残る確率さえ低いのだが彼はその方法を選んだ


―彼は目の前にある窓に向かって走り出すと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


―そのまま窓を突き破って退場した


0312

ガシャァァァン

ディッキンソン「あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」







―そして、混沌としている戦場をさらにかき混ぜるように、第四者は現れた

 0343
グォォォォ・・・・・・・・・・・・グォォン

―その場の全員が、見覚えのある車の取合せに目を奪われる


レオーネ「ま、まさか!!」

粟楠「チッ・・・・・おい、お前ら、怯むんじゃねぇ!両方まとめて潰しちまえ!!」


0345
ズダダダダダンドダダドダダダダッ!!


―銃弾の雨をくぐり抜け、第四者はこの三つ巴の戦いに身を投じることとなった


 






To be continued・・・・・・・・・