0481
EVENING GLOW OF BETRAYAL ~8~

[Glint of strong intention]
 
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――――ハーウッド、中古車屋裏 P.M.2:39――――

0033

ドォォォン!!

―駐車されていたリカルドのローライダーが轟音を響かせながら爆ぜ、周囲に激しい熱線と爆風を撒き散らした

―その爆音は、『街』にとっては盤上のゲームの、始まりの合図、そして後に控える壮大な殺し合いの序章にすぎなかった







――――ベッドフォードポイント、高層ビル P.M.2:12――――

0657

青年「ねぇ、このSTAGってさ、本当にギャングのお掃除が目的だと思う?」


―唐突に繰り出される質問、それに答えたのは、事務的に作業を続ける秘書だった

0687

ナタリー「さぁ? 残念ながら私は人間観察なんて気色悪い趣味に興味はないわ、一人で考えれば?」


―圧倒的な温度差が乾燥した空気を更に乾かせる


青年「他に話す相手が居ないから仕方なく冷たい冷たい秘書さんに僕の壮大な趣味を共用させてあげようとしてるんじゃないか」

ナタリー「ますます気持ち悪いわね、そもそもこの街のギャング共にあんな組織が太刀打ちできるとは到底思えないんだけど?」

青年「だから別の目的があるんじゃないかって詮索してるんだよ」

0657

青年「まぁ、いずれ分かることなんだけどね」

―そう言い放つと、椅子からダラダラと腰を上げ、淀んだ曇天が広がる窓を眺めた


青年「こりゃぁ、一雨きそうだね」








――――ハーウッド、中古車屋裏 P.M.2:40――――

0034

STAG「ターゲットの破壊を確認! 作戦を続行する!」

STAG「電動カッターでドアを破れ! 中に突入するぞ!」


0016
ズダダダダダダッッ!!

―轟音が響き渡り、銃撃が湿った壁に弾痕を残す

―ついにSTAGが、ギャングを一掃するための行動を起こしたのであった

0044
ズダンッ!ズダダダダダダダダッ!!

STAG「敵の姿が確認できない! 内部への突入準備を急げ!」

STAG「了解! 電動カッターを持って来い!」


―銃撃の轟音の間に隊員達の緊迫感のあるやり取りが行われ、内部に突入するための準備が始まった

0052
ズダダダダダダッッ!!


ギィィィィィィィィン

―銃声とはまた違った轟音が鼓膜を裂くような勢いで鋭く響き渡り、ドアと刃の接地面からは絶え間なく眩しい火花が飛び散る

0069

STAG「もうすぐ開くぞ! 突入用意ッ!!」
 
―ドアが激しい金属音を立てながら倒れ、部隊は一斉に中へと飛び込んでいった
 
0021
ズダダドダダドダダダダッ!!

STAG「敵を確認! 引き金を緩めるな!」

STAG「グぉっ! 敵は自動小銃で武装しているぞ!!」


―威勢よく突入を実行したSTAGであったが、先に血が流れたのはSTAG側だった

0056

STAG「ぐはぁッ!!」

―リロードをしていた隊員の胸に、スコットのAK-47から放たれた銃弾が突き刺さる

STAG「おい! しっかりしろ! 衛生班! 衛生班!」

― 最初の爆発から既に時間が経過していたためか、リカルドが居ないローフィーズはSTAGの猛攻撃に備え、反撃の準備を整えていた。

0173

ビル「クソッ こいつら何なんだ!」

ジム「外にも居るぞ!、弾を残しておけ!」

0048
ズダンダドダッ!ズダダダダダダダッ!!

ジム「オラオラァァァッ!!、おとといきやがれェッ!!」

スコット「クソッ、これ以上はヤベェ、裏口から逃げるぞ!!」

0168

―優勢に見えたローフィーズだったが、メンバーを裏口に誘導しようとしていたスコットを弾丸が襲う


ズバッ




スコット「ぐぉッ 畜生ぉ! 腕をやられた! もうもたねぇ!!」

ジム「ドミニク!、スコットがやられた、援護を頼む!」

0061

ドミニク「大丈夫か!? お前は退がってろ!!」



スコット「ぐぁあ!! 」

―腕を撃たれたスコットに追い打ちを掛けるように更に銃弾が胸を切り裂いた


ドミニク「おい!! しっかりしろ!!」

スコット「俺ァ・・・もうダメだ、裏口から逃げろ!、すぐそこにビルのSUVが停まってる・・・」

ドミニク「ッ・・・・・・畜生っ・・・・!!」

―胸から血を流しながら呻くスコットをどうすることも出来ず、メンバー達は裏口から外へと飛び出した

0087
ズダンダドダッ!ズダダダダダダダッ!!

―外へ出た彼らを待ちわびていた待機班が銃撃を開始した

ビル「おい、お前ら!、こっちに俺のSUVがある、こいつでずらかるぞ!!」

0089

―銃弾がすぐ横を通り過ぎる中、ドミニクは無線を使って先刻から姿が見当たらないジムへと連絡を取ろうとした

ドミニク「おい! ジム!、応答してくれ!ジム!!」

ドミニク「クッソぉ・・・どうなってやがるんだ・・・」

―無情にも、ドミニクの無線機に返ってくるのは銃撃の乾いた轟音だけであった


ビル「おい!、早く乗れ!」

ドミニク「あぁ、今行く!」

0145
グオオォォォォォ!!!

―残った数人のメンバーを乗せると、ビルは躊躇うことなくフェンスを突き破り、銃撃の雨が未だに止まないアジトから脱出した

―ハンドルを握っていたビルが、一瞬悲しそうな目をしたのは気のせいだろうか、そんなドミニクの思考さえも後を追いかける銃撃の雨によって掻き消されていった

0099

STAG「逃がすかッ!!、撃って撃って撃ちまくれ!!」

STAG「なぁ、何か様子がおかしいぞ・・・?」


―彼らが感じた異変、その正体は彼らの頭上、――そう、つまりアジトの屋根の上から、哀れな雄鹿を眺める彼の姿だった


0137

―ジム・クレビッツ、彼の手には、黒く輝く、手榴弾が握られていた

ジム「っく・・・もう俺もダメだな・・・」


ジム「・・・お前ら、地獄でまた会おうぜ・・・・へっ・・・」


―そう呟いた彼の足元には、抜け落ちたピンが転がっていた









0189

STAG「奴らはどこだ!、逃したのか!?」

STAG「分かりません!、待機班の連中と何故か連絡が取れません!」


―その時、 カッ っと、彼らの視界の奥で、何かが強く光った


?なんだ?
















0193 (2)
ドォォオォオォオォォオオォ!!

―その光は、先刻の爆発よりも、更に更にに大きく、更に更にけたたましい轟音を響かせた




―それはまるで、ジム・クレビッツという男の最期を、そして凶弾に倒れていった仲間たちの意思を、強く強く、強く強く、示しているように彼らには見えた








―その強い光は、全ての権利を握る『街』さえも、―――――――――――





To be continued..........